初めて電子計算機を使ったのは大学4年の時だ。研究室で、助教授からデータの加重平均を計算するのにこれを使いなさいと2枚のパンチカードを渡された。言われたとおり計算機に順番にカードを突っ込むとカチャカチャと計算してくれる。膨大な量の計算があっという間に終わってしまう。今から考えるとおもちゃのようなものだが、こんな良いものがあったのかと、感動した。しかし、あのパンチカードの穴のパターンがどういう意味を持つのか、機械がどうやって計算するのかに全く興味が持てなかったのは不覚だった。とにかく、さっさとデータを整理して卒論を仕上げなくてはと、そこに頭がいっぱいだったのだ。