初めて海外に行ったのは、1977年3月、シンガポール・インドネシアへの出張だった。まだ成田空港が完成する前で、羽田から飛び立った。海外どころか飛行機に乗るのも初めてだったので半ば死ぬような覚悟で、田中と矢島に羽田まで見送りに来てもらった(面倒かけました。ごめん)。確かJALで(SQだったかもしれない)羽田、台北、香港経由でシンガポールまで12時間くらいかかったと思う。その数年前なら香港の後にバンコクも経由したらしいので先輩諸氏より少し楽をさせていただいた。
当時はまだ、外貨持ち出し制限があって、確か1000ドルか3000ドルを超えるドルは持ち出せなかった。クレジットカードもない時代なので日本人の旅行者はまだまだ貧乏だった(私は出張だから問題なかったが)と思う。
パスポートと別にイエローカードというものがあって、旅行先によっては、コレラの予防接種を受けた証明の判を医者から押してもらう必要があった。それも面倒なことに、数日をあけて2回注射しなくてはならなかった。だから海外に行く時は今以上にいろいろ面倒だったのだ。