マイコン

仕事でインドネシアと日本を数ヶ月おきに行ったり来たりしていた1980年頃のこと。日本にやってきたインドネシアのパレンバンの知人ヒダヤットのアテンドをすることになった。ホテルがどこだったか、食事はどうしたかの記憶もないが、有楽町の日劇に行ったことだけは覚えている。あれは丸い風情のある良い建物だった。ほんとに懐かしい。マリオンになってしまってから、有楽町は私にとってはつまらないところになった。

東京に来てから2日目か3日目に、本人の希望で秋葉原に行くことになった。私はあまり興味がなかったのだが、彼はあらかじめ調べてきたらしく、いろいろ買い物をする。その中に、シャープのマイコンがあった。小型のキーボードの上部に一行だけのディスプレイが付いている、卓上計算機が横に広くなったようなものだ。これが私のパーソナルコンピュータ(といって良いかどうか)との初めての出会いだった。

ヒダヤットがインドネシアに帰る時に、高価な電子器具を持ち帰ると大変な輸入関税を取られるので、私に預けたい、今度インドネシアに来るときに持ってきて欲しい、と依頼された。私が持ち込む場合関税はかからないはずだし、最悪関税がかかることになっても、中古なら評価額が全然違うので、ネシアに来るまで好きに使っていてくれと言う。私はありがたく引き受けた。

それから数ヶ月、私の手元にあることになったマイコンは、思いのほか優れもので、ベーシックを使ってプログラミングができる。計算は何でもできるし簡単なゲームも作ることができた。一行しか表示できないので、わずか50行程度のプログラミングでも結構大変だったが、すこしずつ勉強して、ベーシックをある程度覚えることができた。この経験が、その後私がパソコンにはまったきっかけになった。

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